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2025/03/20

孫子の開発指南(5):戦わずして勝つ。(保守篇)

(イラストは孫子が遠隔保守を実施している様子です)

(イラストは孫子が遠隔保守を実施している様子です)

起業のきっかけは「憧れ」と「軽い気持ち」

27歳の時、私はインターネット関連の会社を起業しました。動機の半分は「起業家とか社長」という肩書きへの憧れ。残りの半分は「本が好きなだけ読めるかも」「ずっとパソコンを触りながらお金がもらえるかも」という軽い気持ちからでした。

しかし、社会がそんなに甘いはずもなく、起業準備を始めて以降、毎日12時間以上は営業の日々。毎日毎日「ホームページ作りませんか?」「システム作りませんか?」とお願いに回る毎日でした。

「デスマーチ」の日々に巻き込まれる

幸いなことに、時流に乗って仕事は売れ出しました。しかし売れれば売れるほど納品が必要になり、人手が必要になります。人手が増えれば増えるほど、さらに営業を続けなければならない…。こうして、営業の「デスマーチ(終わりのない行軍)」に巻き込まれていきます。ちなみに、資金繰りのデスマーチも同時に起きます。

どれだけ頑張っても事態は一向に好転しませんでした。

倒産という苦い現実から得た教訓

起業から15年、頑張り続けて売上は約10億円まで成長しました。しかし、ついに力尽き倒産。デスマーチは止まりましたが、生きた心地はしませんでした(倒産時の話はこちら)。

私が運営していたのは「ショットビジネス(報酬型)」という、狩猟型の営業中心の会社でした。営業力に依存するタイプの企業だったのです。

ダックビルでは「農耕型ビジネス」への転換を実践

こうした経験を踏まえ、現在のダックビルでは「ストックビジネス(収益継続型)」という農耕型のビジネスモデルに切り替えました。一般的には「サブスクリプション(定額制・継続課金)」という呼び方で知られています。

ストックビジネスは成功するのは難しいですが、強烈な利点が2つあります。

  • アウトサイド営業(現場営業)の必要性が少なく、運営コストが抑えられる。

  • お客様と継続的に繋がれるので、「戦わずに済む」。←ここ重要!

狩猟型ビジネスは、売れそうなお客様を見つけては追いかけ回します。一方、農耕型ビジネスでは、お客様と日々向き合い、同じ場所で一緒に育っていくスタイルです。

開発系の会社を起業するなら、この「保守」を軸とした農耕型が絶対におすすめです。戦い続ける日々は本当に疲れてしまうから。

一筆啓上いたします。

「お客様と笑いながら仕事できるのが一番だよね」

 

シリーズアーカイブはこちらから。
孫子の開発指南序章  :孫子の開発指南書
孫子の開発指南(1):彼を知り己をしらば、百戦危うからず。(営業篇)
孫子の開発指南(2):まず勝って、のちに戦いを求める。(設計篇)
孫子の開発指南(3):よく戦うものは、人に致して致されず。(PM篇)
孫子の開発指南(4):兵は拙速を尊ぶ。(納品篇)
孫子の開発指南(5):戦わずして勝つ。(保守篇)

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野口 高志
15歳で実家が倒産。20歳で竹箒を投げられた現場監督。
27歳で起業、46歳で倒産・破産。48歳で仲間とガレージ再出発。
55歳の今、建設テックCEOと創業120年の老舗建設CDOの二刀流で再挑戦中。

【現在の役割】
▪️建設テックベンチャー「ダックビル」|代表取締役CEO
(売上5億円 / 25名 / 資本金6,000万円 / 創業10年)

▪️大規模修繕工事大手「建装工業」|執行役員CDO
(売上620億円 / 850名 / 資本金3億円 / 創業120年の老舗)

高い自己資本比率(ダックビル65%・建装工業60%)を背景に、
「大企業とベンチャー」「伝統と未来」をつなぐ挑戦を続けています。

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