家具の組立てに見る、「設計」の大切さ
ずっと欲しかった組立式のデスク棚が宅配で届いたとします。アンティーク調で渋くてカッコよく、首を長くして待っていた商品です。嬉しさで気分はもうルンルン、私はきっと箱を開けてすぐに組み立てを始めます。説明書(設計書)をパッと軽く見るだけで。
これまでの人生、家具はいつもそんなふうに組み立ててきました。その結果、完成した家具の約80%は、なぜか変な隙間が空いたりガタついたりしてしまいました…。せっかくの情熱はどこへやら、虚しい気持ちで所定の位置に設置する羽目になります。
「まず説明書を熟読する」という成功の秘訣
しかし最近、私は家具が届いたらまず説明書をしっかり読むようになりました。説明書の手順通りに部材を並べ、ネジや穴のサイズも確認してから組み立てを始めます。その結果、70%以上は隙間やガタつきのない、きちんとした仕上がりになるようになりました。
まさに、孫子が言う「まず勝って、のちに戦いを求める」という格言が、家具の組立てにも通じることを知ったのです(笑)。
「設計書」の重要性は開発現場でも同じ
開発の仕事もこれと同じではないでしょうか。
現場のエンジニアがどんなに優秀であっても、「しっかりとした設計書(説明書)」がなければ、関係者全員がバラバラな方向を向いてしまい、チグハグで隙間の多い製品ができてしまいます。
理想的な完成イメージが明確に示され、そのゴールに辿り着くための手順が整理されていること。そして注意点や確認ポイントが網羅されていること。何よりそれが分かりやすく書かれていること。
設計書が分かりやすいからこそ、関係者全員が同じ方向を見て安心して仕事を進められるのです。
「設計のない開発現場」が生む悲劇
ところが現実の開発現場では、この真逆のパターンが非常に多いのです。
誰も完成形や手順が分かっていないから、各自がバラバラに何となく作業を進めます。すり合わせも十分できないので、出来上がったものを適当にくっつけてしまう。当然、品質は悪くなり、納期も遅れます。結果、「デスマーチ(終わりのない地獄のような状況)」が始まるのです…。
孫子の教えを開発現場に活かす
まず「勝つ」(ゴールと道順を明確にする)ことを理解した上で、「戦い」(実際の開発作業)を求める。
みなさんの仕事現場はどうでしょうか?
孫子の教え通りに戦えていますか?