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2025/02/20

孫子の開発指南(1):彼を知り己をしらば、百戦危うからず。(営業篇)

(イラストは孫子がipad使ってクラウドにメモを残しているところです)

(イラストは孫子がipad使ってクラウドにメモを残しているところです)

営業の基本は「話す」より「聴く」

営業活動で最も大切なこと、それは「お客様の話をよく聴く」こと。
当たり前のことなのに、どうしてついつい自分の話ばかりしてしまうのでしょうね…。若い頃の私は、自分や自社製品の素晴らしさを語ることに精一杯でした。今振り返ると本当に恥ずかしい限りです(笑)。

「彼を知り、己を知る」逆になると失敗する理由

孫子の言葉に「彼を知り己を知らば、百戦危うからず」というものがあります。本当にこれは営業においても非常に大切な教えです。

しかし、営業をよく分かっていない頃は、この順序が逆になりがちです。つまり、「己を語り、彼に押し付ける」。過去の自分を振り返ると、まさにそんな状態でした。思い出すと胸が痛いです(笑)。

「彼を知る」=お客様の悩みを理解すること

何かを販売する時も、システムを受託開発する時も、自社商品の開発をする時も同じです。重要なことは「彼(お客様)が何に困っているか」を丁寧に聴き、しっかりと理解することです。
これこそが営業における最も重要なスキルです。

「彼(お客様)のニーズや悩みをよく聴いて理解すること」=「彼を知る」ということです。

「己を知る」=自分が役立てることを明確にすること

次に重要なスキルは、「彼の悩みに対して、自分はどう役に立てるのか」を真剣に考えることです。
「あぁ、これなら自分でも彼の役に立つし、喜んでもらえるだろうな」と考える力、これがいわゆる「提案力」です。

つまり、

  • 「彼を知る」=お客様の困りごとを正しく理解し、

  • 「己を知る」=自分が役立てる方法を見つける。

これができれば、百回商談をしても、恥をかくことはまずないでしょう。これが孫子の「彼を知り己を知らば、百戦危うからず」の真意だと思います。

相手の悩みを聞き出せる人になるために

しかし問題は、「どうすれば相手から悩みを打ち明けてもらえる人になれるか?」です。
「この人に相談したい」と感じてもらえるようになるのは、簡単なことではありません。

  • 顔色が悪く不健康そうな人には相談しにくいですよね。やはり健康的であることが重要です。

  • 清潔感も必須です。不潔でだらしない人には話をしたくありませんよね。かえって悩みが増えてしまいそうですから。

  • 優しくて、頭が良さそうな人には、自然と相談したくなります。何か良いことがありそうですから(笑)。

「話を聴ける人」は、それだけで価値がある

健康的で、清潔感があって、爽やかで、頭が良さそう。そして何より人の話を真剣に聴く人。
こういう人はやっぱり給料が上がるのも早いですよね(笑)。

まさに、「彼を知り己を知らば、百戦危うからず」です。

一筆啓上いたします。
「ものづくりは、耳づくりから」

シリーズアーカイブはこちらから。
孫子の開発指南序章  :孫子の開発指南書
孫子の開発指南(1):彼を知り己をしらば、百戦危うからず。(営業篇)
孫子の開発指南(2):まず勝って、のちに戦いを求める。(設計篇)
孫子の開発指南(3):よく戦うものは、人に致して致されず。(PM篇)
孫子の開発指南(4):兵は拙速を尊ぶ。(納品篇)
孫子の開発指南(5):戦わずして勝つ。(保守篇)

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野口 高志
【 倒産 → 再起 → M&Aを経て、建設業の伝統と未来をつなぐ『挑戦の二刀流』 】
▪️建設テックベンチャー 「ダックビル」|代表取締役CEO
(売上5億円 / 25名 / 資本金6千万円 / 創業9年目)と、
▪️大規模修繕工事大手「建装工業」|執行役員CDO
(売上620億円 / 850名/ 資本金3億円 / 120年の歴史)を兼務。
高い自己資本比率(ダックビル65%、建装工業60%)による安全な経営を推進。
盤石な財務基盤を背景に「現場と経営」・「伝統と未来」をつなぐ挑戦を続けています。

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