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2025/03/13

孫子の開発指南(4):巧遅より拙速〜確認作業の重要性〜(納品篇)

(写真は孫子が急いで仕様の間違いをお詫びしに向かっているところです)

(写真は孫子が急いで仕様の間違いをお詫びしに向かっているところです)

若き日の大失敗:「見なかったことにしよう…」

若い頃、道路工事の仕事をしていました。ある山道の工事で、工期が足りなくなったため、山の左右両側から同時に掘削を進め、中央で道を合流させるという画期的な施工方法を指示したことがあります。

いつも食事をするお気に入りの場所から、工事中の山頂がよく見えました。「あと1週間で貫通だなぁ」と眺めていたある日、ふと異変に気づきました。なんと道の高さが左右で1メートルもズレていたのです。完全に指示ミスでした…。

若かった私は、思わず「見なかったこと」にしました。
もちろん結果は大惨事。しばらく食事ものどを通らないほど落ち込みました(笑)。

痛い経験が教えてくれた「確認」の大切さ

この苦い経験以来、私は仕事の際に徹底的な「確認」をするようになりました。
企画書を作る時は、骨子を書いた段階でまず確認。下絵を書いて確認、デジタルに落とし込んでもまた確認。なぜなら「手戻り」が大嫌いだからです。手戻りは一気にやる気を奪います。あの痛い失敗から学んだ教訓のおかげで、「確認作業」だけは絶対にサボらないようになりました(笑)。

「確認」は製品やサービスの品質を高める

商品や製品の開発においても、「確認」は非常に重要なプロセスです。
設計書や図面ができた時、モックアップや試作品が完成した時には、関係者全員で内容を確認します。この作業を開発の現場では「DR(デザインレビュー)」と呼びます。システム開発であれば動作テストがそれにあたります。

開発プロジェクトの規模や内容によって方法は様々ですが、他人の目(可能であればお客様の目)で細かくチェックしてもらうことが大切です。

「巧遅」より「拙速」〜早めの確認が成功の秘訣

孫子は、「じっくり時間をかけて完璧なものを作ること」を『巧遅』と呼び、「出来が悪くても素早く見せていくこと」を『拙速』と呼びました。そして、「巧遅より拙速が良い(巧遅は拙速に如かず)」と説いています。

仕事を任されたら、まず細かなタスクに分解します。そして、タスクが少し進んだ段階で自分の理解が正しいかを拙速でも確認する。絶対に引き出しに入れて温めてはいけません。後で必ずハマるからです(笑)。

小さな確認の積み重ねこそが、実は納品物の品質につながっているのです。

一筆啓上いたします。

「今日の仕事は誰かに確認してもらった?」

シリーズアーカイブはこちらから。
孫子の開発指南序章  :孫子の開発指南書
孫子の開発指南(1):彼を知り己をしらば、百戦危うからず。(営業篇)
孫子の開発指南(2):まず勝って、のちに戦いを求める。(設計篇)
孫子の開発指南(3):よく戦うものは、人に致して致されず。(PM篇)
孫子の開発指南(4):兵は拙速を尊ぶ。(納品篇)
孫子の開発指南(5):戦わずして勝つ。(保守篇)

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野口 高志
15歳で実家が倒産。20歳で竹箒を投げられた現場監督。
27歳で起業、46歳で倒産・破産。48歳で仲間とガレージ再出発。
55歳の今、建設テックCEOと創業120年の老舗建設CDOの二刀流で再挑戦中。

【現在の役割】
▪️建設テックベンチャー「ダックビル」|代表取締役CEO
(売上5億円 / 25名 / 資本金6,000万円 / 創業10年)

▪️大規模修繕工事大手「建装工業」|執行役員CDO
(売上620億円 / 850名 / 資本金3億円 / 創業120年の老舗)

高い自己資本比率(ダックビル65%・建装工業60%)を背景に、
「大企業とベンチャー」「伝統と未来」をつなぐ挑戦を続けています。

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