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2026/06/11

【奮い立つ音】

損得を忘れさせる声

損得を忘れさせる声

「ギャンギャンギャン」声のする方を、恐るおそる見る。視界に犬が入る。
狂ったように回りながら、こちらに何かを訴えかけている。

──もうダメだ。
書いていて、泣けてくる。

私の人生は、
うまくいかないことだらけだった。

そして、まるで私の代わりかのように、
なぜか、いつも不幸になる犬の姿があった。

──被災した南相馬へ向かう道中。

つらい犬の姿を、たくさん見た。
心が張り裂けそうになった。

泣きながら運転して、現地へ向かった。

もちろん、人の苦しみを見なかったわけではない。
でも、私を最後に突き動かしたのは、
犬の叫び声だった。

その声の奥に、
つらかった自分の声が聞こえた。

そのさらに奥に、
愛犬と離れざるを得なかった人たちの悲しみが聞こえた。

──いま奮い立たなければ、自分ではなくなる。

やがて南相馬の犬の鳴き声は、
倒産へつながる道となった。

でも、後悔はしていない。

一筆啓上いたします。
「あの声をもう一度聞いたら、同じことをすると思います。」

【人生の音 シリーズ】
▪️今も残る幼少期の記憶。不条理に立ち向かう心の裏に響く【嫌な音】。
▪️今の土台にもなった小学5年生の時の出会い。ポケットコンピュータが鳴らした【ウキウキする音】。
▪️デバイスが鳴らす【時代が変わる音】。消音化していくからこそ、逆に音がある生活が愛おしい。
▪️会社の考え方が垣間見える【台風の音】。良い判断は、気遣いで決まる。
▪️悲しい犬の叫び声は最後に自分を突き動かした。被災地に響いた【奮い立つ音】。

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野口 高志
15歳で実家が倒産。20歳で竹箒を投げられた現場監督。
27歳で起業し、46歳で倒産・破産。48歳で仲間とガレージから再出発。
55歳の現在は、建設テック企業「ダックビル」の代表取締役CEOと、創業120年の大規模修繕工事大手「建装工業」の執行役員CDOを兼務しています。

「大企業とベンチャー」「現場と経営」「伝統と未来」をつなぎ、建設業の未来をつくるための挑戦を続けています。

【現在の役割】
■ 株式会社ダックビル|代表取締役CEO
売上5億円 / 25名 / 資本金6,000万円 / 創業10年

■ 建装工業株式会社|執行役員CDO
売上620億円 / 850名 / 資本金3億円 / 創業120年

高い自己資本比率(ダックビル65%・建装工業60%)を背景に、堅実な経営基盤の上で、建設DX・AI活用・新規事業・採用広報・組織づくりに取り組んでいます。

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