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2024/02/29

倒産してわかった「経営に必要なスキル」とは

私は27歳のときに起業しました。会社は順調に成長しましたが、44歳で倒産を経験しました。その17年間、休息した記憶はありません。

起業から倒産までの苦悩

仕事が取れない、集金できない、支払いが滞る、社員への給料が払えない、資金調達がうまくいかない。お金の悩みは絶えず、心臓を握られるようなストレスが常にありました。

求人に応募がない、社員からの不満が増える、社員が次々と辞めてしまう。人に関する悩みも尽きませんでした。事故や不祥事、ときには訴訟問題に発展することもあります。会社が成長すると社会活動にも関わらなくてはならず、若く経験が浅かった私は失敗ばかりで、自分自身が嫌になることも多くありました。

倒産後、初めての休息

44歳まで人生をかけて育てた会社は、あっという間に倒産しました。そのとき初めて、17年ぶりに休むことができました。自己破産後はコロッケを買うお金すらない状況でしたが、経営の金策に比べれば個人のお金がないことなど些細な問題でした。やっと休息を取った私の体と心は、まるで金属でできているかのように重く固かったことを今でも鮮明に覚えています。

再起と学びの日々

約1年間じっくりと心身を回復させてから再起しました。反省の日々のなかで、睡眠や運動、食事の重要性、人の温かさ、自分を信じる大切さなど、多くのことに気づきました。深く反省したからこそ、今は楽しんで笑える範囲で経営に取り組んでいます。倒産の際、多くの方々にご迷惑をおかけしたことを、心から申し訳なく思っています。しかし、その経験は今では得難い経営ノウハウとなっています。

かつてはテレビや新聞・雑誌の取材を受けたり、講演をする機会が多くありました。何も理解していないのに、すべて分かったように話していました。それが求められていたことであり、必死で演じていました。今振り返ると、倒れそうなほど無理をしていた自分を思い出して涙が出そうになります。

経営者に必要な「耐える力」

失敗を経験し、恐怖に震え、反省を通じて気づいた「経営者に本当に必要なスキル」は「耐える力」です。

具体的には、「お金を大切に使うこと、人の話を真摯に聞くこと、威張らず背伸びをしないこと。自己顕示欲を抑え、謙虚に課題と向き合い、困難な状況でもじっくり耐え抜く力」こそが、真の経営スキルだと考えます。耐えるのが嫌で背伸びをして威圧し、一発逆転を狙うような経営をしてはいけません。それは自分だけでなく、大切な人たちをも傷つけることになります。

起業を目指す方へ伝えたいこと

これから独立し、スタートアップに挑戦する皆さんに強く伝えたいことがあります。「挑戦」には必ず「失敗」が伴うことを知ってください。そして、失敗を乗り越えるために必要なスキルは「耐える力」であることを覚えておいてください。

会社勤めが辛く、独立すれば楽になるという甘い考えだけで起業すると、高確率で失敗します。

大切な人生です。経営者を目指すなら、甘言に惑わされず、「自由や挑戦」よりも自分に「努力し耐え抜く力」があるかどうかを冷静に問いかけてみてください。

一筆啓上いたします。
「起業するなら、努力と耐えることを覚えよう。」

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野口 高志
15歳で実家が倒産。20歳で竹箒を投げられた現場監督。
27歳で起業、46歳で倒産・破産。48歳で仲間とガレージ再出発。
55歳の今、建設テックCEOと創業120年の老舗建設CDOの二刀流で再挑戦中。

【現在の役割】
▪️建設テックベンチャー「ダックビル」|代表取締役CEO
(売上5億円 / 25名 / 資本金6,000万円 / 創業10年)

▪️大規模修繕工事大手「建装工業」|執行役員CDO
(売上620億円 / 850名 / 資本金3億円 / 創業120年の老舗)

高い自己資本比率(ダックビル65%・建装工業60%)を背景に、
「大企業とベンチャー」「伝統と未来」をつなぐ挑戦を続けています。

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