野口 高志 株式会社ダックビル / CEO
ダックビルCEOです。若かった時に放漫経営で上場目指していた会社を倒産させてしまいました。皆さんのお情けをいただいて、もういちど頑張ってやり直してきました。懺悔の気持ちと感謝の思いを込めて社会課題を今後もコツコツと解決していくなかで社会に少しでも多く貢献していきたいな、と願っています。
グラフは日本の人口統計(左)と世界の人口統計(右)を比較したものです。(出典:大和証券)
私は石川県金沢市に生まれた。正確にいうと隣の石川県野々市町生まれであるが、金沢生まれということにしている。「どこの生まれなんですか?」って聞いて「あぁ、野々市町ですよ」って答えられてもみなさんも困るでしょ?
母親は福岡県大牟田市の出身だ。昔日に炭鉱で栄えた町だが、今は寂しさが漂うよくある地方の街並みだ。子供の頃遊びに行った実家に鶏が放し飼いで飼われていて、まだ暖かい卵ご飯を食べさせてもらった思い出が忘れられない。先日、母親に会いたくて大牟田にいった。友人の家に私を連れて行って友人に自慢する母親が可愛くて。とても素敵な時間だった。
その時に、私が相続予定の田んぼがあることを知った。「えっ、見せてよ。」ということで見に行った。「あそこたい。」母親が指差す方向には、広大な地面によく育った雑草が生い茂っている。「どうやってあそこまで行くの?」「道はないばい」とのことだ。哲学のような話だ…。私の曾祖父さんが開拓したらしい。山も開拓したらしいが勇気がなかったので今回は見ることを断念した。
私の両親は団塊の世代だ。そして私は団塊の世代Jrだ。いま、日本中でこのような相続の話し合いがなされていると思う。グラフ(出典:大和証券)を見てほしい。高齢化率は30%にもなっています。これから日本では巨大な相続が進んでいくことになります。
人口が増えていく社会では地面の活用方法が模索され、資産価値は高まる。グラフを見た通り世界の人口は綺麗なピラミッド型なので今後の不動産資産は有望だ。だが日本ではその期待は今後できそうもない。15歳以下の年齢層はわずか12%しかいない。相続どころか今後は人口を都市部に集中させねば快適な生活は維持できないだろう。地方の土地活用はこれからかなり厳しいのが現状だと言えます。
子孫に財産を残してあげたい、そう考えた曽祖父の気持ちを大切にして負動産だとしても大切に引き継ぎ守っていきたい。でもそれは本当に正しいことなのだろうか。自分の相続資産をオープンソース化して皆で活用しながら改良していく。そんなGitHubのような仕組を創れないだろうか。相続資産を社会全体でシェアしながら活用していく、そんなことを考えていきたい。
一筆啓上いたします。
「相続資産も所有からオープンソース・シェアリングの時代にしよう」
“Open-Sourcing Inherited Assets”
The graph compares global population statistics (right) with those of Japan (left). (Source: Daiwa Securities).
I was born in Kanazawa, Ishikawa Prefecture. More precisely, in Nonoichi Town, but I say Kanazawa because it’s more recognizable. My mother is from Omuta City, Fukuoka Prefecture, once a thriving coal mining town. Visiting my mother’s hometown as a child, I fondly remember eating freshly laid eggs from free-range chickens.
Recently, I visited Omuta and learned about a rice field I am set to inherit. My mother pointed out a vast area overgrown with weeds. “How do we get there?” I asked. “There is no path,” she replied. It felt philosophical. This land was cleared by my great-grandfather.
My parents belong to the baby boomer generation, and I am a baby boomer junior. Many families in Japan are having similar inheritance discussions. As the graph shows, the aging rate in Japan has reached 30%. This means massive inheritance transitions are imminent.
In a growing society, land utilization drives up asset value. Globally, the population pyramid is stable, promising real estate assets. However, Japan’s future is different; only 12% of the population is under 15. Beyond inheritance, urban concentration will be necessary for maintaining a comfortable lifestyle. Rural land utilization will become increasingly challenging.
Honoring my great-grandfather’s intention to leave assets for future generations, I want to preserve even burdened properties. But is this the right approach? Could we create a GitHub-like system to open-source inherited assets, making them collectively useful and improved? Let’s consider sharing and utilizing inherited assets within society.
Signing off with today’s final stroke of the brush:
“Inheritance assets should also transition from ownership to open-source sharing.“