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2025/08/04

騙されないための礼儀作法 ――トイレと冷蔵庫が語る誠実さ

ドローンプロポを慈しむ杉本社長様の様子

ドローンプロポを慈しむ杉本社長様の様子

■ 若さゆえに失ったもの

私は20代で起業しました。
まだ世の中を知らなかった私は、少なくとも2度、詐欺に遭いました。失ったお金は700万円──若い起業家の出鼻をくじくには、十分な金額です。

■ 贈与扱い・被告人席──現実が突きつけた言葉

あるとき、持ち逃げされた資金が「贈与だった」と言われ、追徴課税されました。またあるとき、自分が作ったシステムについて「盗まれた」と主張され、被告人席に立たされたこともあります。

「これは…贈与ですね」
「被告人、前へ」

真面目に生きてきたつもりの私の心を、これらの言葉が打ち砕きました。あの日の廊下の冷たい空気、今でも忘れられません。出資者や銀行にどう説明するか。社員はどう思うか。とてもご飯なんて食べられませんでした。

■ だから、私は「会いに行く」

その経験以来、私は本気で仕事をする相手とは、必ずリアルで会うようにしています。雰囲気、社員の話し方、空気感──Web会議だけで判断することは、100%ありません。

■ 東港運輸で見た“誠実さ”

先日、名古屋の東港運輸・杉本社長のもとを訪問しました。
最新のドローン機体や充電設備を拝見し、「これはすごい」と感じましたが、私が最も惹かれたのは、別のところでした。

トイレと冷蔵庫、です。

便意があったわけではありませんが、失礼してトイレを拝借しました。とても清潔に保たれていて、冷蔵庫には社員の健康を気づかった冷凍食品が整然とストックされていたのです。

「この会社と仕事がしたい」そう思いました。そこにあったのは、飾らない“リアルな誠実さ”でした。

■ 若い人たちへ──本当に大事なものは、ネットにはない

若い人たちに、どうしても伝えたい。リアルには、リアルでしか得られない情報があります。綺麗な企画書より、きれいな水まわり。気の利いたスライドより、社員用冷蔵庫の中身。

あなたの仕事場には、「誠実さの匂い」はありますか。

一筆啓上いたします。
「企画書よりも、トイレが雄弁に事業を語る時もある」

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野口 高志
【 倒産 → 再起 → M&Aを経て、建設業の伝統と未来をつなぐ『挑戦の二刀流』 】
▪️建設テックベンチャー 「ダックビル」|代表取締役CEO
(売上5億円 / 25名 / 資本金6千万円 / 創業9年目)と、
▪️大規模修繕工事大手「建装工業」|執行役員CDO
(売上620億円 / 850名/ 資本金3億円 / 120年の歴史)を兼務。
高い自己資本比率(ダックビル65%、建装工業60%)による安全な経営を推進。
盤石な財務基盤を背景に「現場と経営」・「伝統と未来」をつなぐ挑戦を続けています。

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