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2024/07/22

「経済と健康に打撃を与えたプログラム」

青い画面、いわゆるブルースクリーンを見ると、業界の人は青ざめます。OSに不具合が起きたときに表示されるこの画面は、システムが動いていないことを瞬時に理解させてくれます。

7月19日、世界中でブルースクリーンが発生するという前代未聞の大規模障害が発生しました。ネットワークに繋がることが当たり前の時代には、障害もネットワーク化するのですね。

これはクラウドストライクというセキュリティ会社が引き起こした障害です。クラウドストライクは端末側でセキュリティ脅威を発見する(EPP)もしくは発見+対応する(EDR)機能を提供しています。この会社の商品はPCやサーバだけでなく、ルーターやIoTディバイスにも利用されているのが特徴です。

クラウドストライク社のサービスは、178カ国18000社以上の企業が利用しており、日本でも多くの行政や大手通信事業者が採用しています。今回の障害発生が大規模に広がった原因はカーネルと呼ばれる基本レイヤードライバーのバグが強制的に全端末に自動アップデート配信されたことが原因です。

システムにトラブルはつきものですが、今回の修理対応はやばい。現地対応が必要で、セーフモードでWindowsを立ち上げて特定のファイルを削除してから再起動するという作業を全端末で行わなければなりません。ATMや電子看板はエアコンが効いているかもしれませんが、屋外の電柱に設置された監視用センサーや山奥のダムの制御装置などはどうするのでしょうか。季節がら、まさにクラウド「ストライク」という感じです。

システムのファイル更新は慎重に判断する必要があります。複数の試験端末でアップデートファイルをテストして問題ないことを確認してからリリースするべきです。ネットワーク越しの自動制御は便利ですが、その危険性も理解しておく必要があります。

一筆啓上いたします。
「いまやシステム障害は、災害になる時代です」

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野口 高志
【 倒産 → 再起 → M&Aを経て、建設業の伝統と未来をつなぐ『挑戦の二刀流』 】
▪️建設テックベンチャー 「ダックビル」|代表取締役CEO
(売上5億円 / 25名 / 資本金6千万円 / 創業9年目)と、
▪️大規模修繕工事大手「建装工業」|執行役員CDO
(売上620億円 / 850名/ 資本金3億円 / 120年の歴史)を兼務。
高い自己資本比率(ダックビル65%、建装工業60%)による安全な経営を推進。
盤石な財務基盤を背景に「現場と経営」・「伝統と未来」をつなぐ挑戦を続けています。

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