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2024/09/16

「悩んだら、どこにいけばいいのかな」

(写真は被害が大きく復興が進まない奥能登の9月現在の様子です)

(写真は被害が大きく復興が進まない奥能登の9月現在の様子です)

「ふるさとは遠くにありて思うもの、そして悲しくうたうもの」
郷土を思う気持ちをうたった石川出身の詩人、室生犀星の有名な詩だ。東京でうまくいかない、かといって郷土に帰っても温かく迎え入れてももらえない。という室生犀星の悲哀感をうたったものだ。東京にでてきた石川県出身の私に室生犀星のこの詩は時折、とても染みる。

私は年に2,3度は郷土に帰る。父親はすでに他界しており、母親は出身地の福岡で暮らしている。ということで石川に戻る理由はお墓参りしか残っていない。帰る場所もないから郷土に帰ってもホテル暮らしだ。おまけに、むかし経営が失敗して倒産したとき地元で大きな話題になったのが恥ずかしくて、いまだに飲みにもいけない。

でも、年に2,3度は石川に帰る。いつもお決まりのコースを回る。祖父祖母、父親が入っているお墓にいって手を合わせてから、自分が育った家の近くに車を止めて、子供のころ通った公園や学校を見て回る。不思議なもので風景は何も変わっていないのに、いくたびに景色は変わる。

悩んでいる時、岐路に差し掛かったとき、私は必ず郷土に向かいこの景色を見ることにしている。生まれ育った風景をみていると、心から迷いが消えていく。「子供のころ将来何がしたかったっけな」「子供の頃の自分に胸をはって言えるかな」「父親は褒めてくれるよな」「近所の人は今の私にあったら何ていうかな」…不思議と邪念は消え、すべきことが心に浮かんでくる。東日本大震災で南相馬にテレビ局を作ると決めた時も、このコースを歩いた。そして昨日もこの道を歩いてきた。

2週間前に震災の被害が大きかった奥能登にいってきた。無惨な景色が広がる。育った郷土を見ることも思うことも叶わなくなった人たちが能登に大勢いる。胸が締め付けられる。
「手伝ってこいまいや」と父の声が聞こえる。「がんばってきまっし」と子供の自分が励ましてくれる。「あんたなら、できるわいね」近所のおばさんの優しい笑い声が聞こえる。故郷石川の役に立ちたいと心から願う。

一筆啓上いたします。
「悩んだら、昔の自分に会いに行くといいよ」

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野口 高志 (のぐち たかし)

【信用は、積み直せる。】

建設テックベンチャー「ダックビル」CEO × 創業120年・大規模修繕工事大手「建装工業」CDO。

15歳で実家の建設会社が倒産。46歳で自らの会社も倒産・破産。
48歳、仲間とガレージから再出発。
いまは建設DXとAIで、ベンチャーと大企業、両方の現場に立っています。

このブログ『一筆啓上』では、失敗と再起、組織づくりを通して
『信用を積み直す技術』を綴っています。


▶ 詳しいプロフィール(経歴・特許・受賞歴): duckbuild.jp/noguchi/

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