野口 高志 株式会社ダックビル / CEO
ダックビルCEOです。若かった時に放漫経営で上場目指していた会社を倒産させてしまいました。皆さんのお情けをいただいて、もういちど頑張ってやり直してきました。懺悔の気持ちと感謝の思いを込めて社会課題を今後もコツコツと解決していくなかで社会に少しでも多く貢献していきたいな、と願っています。
※(写真は撮影イベントで私どもが飾りつけたマンションのクリスマスイルミネーションです!)
23日、日本企業所有のタンカーがイランから飛来したドローンに攻撃されたという。日本だけではない、世界中のタンカーが攻撃を恐れてエネルギー輸送のチョークポイント(弱点)である紅海を避けて航海しています。若い人はピンと来ないかもしれないが1973年に同じように中東で戦争が起きた時、狂乱物価(オイルショック)が起きました。今は一歩間違えたら世界中が1973年と同じように狂乱物価(インフレーションによるパニック)に陥ることになりかねない状態だと言えます。
イスラエルという国家と「ハマス、フーシ派」という武装組織の衝突で終わればであれば戦争もなんとか終結させることができるかもしれませんが、米国がイランを名指しで批判しだしており戦火は国家間に拡大する兆しを見せています。この歴史的に戦禍が絶えない中東での戦争はユダヤ教、イスラム教、キリスト教が複雑に絡み合った宗教戦争の色が濃いです。
キリストの生誕地ベツレヘム当局は「クリスマスは華美な祝いをしないように」という告知を市民にしたそうです。たしかに毎日大勢のパレスチナ市民がイスラエルのガザ地区で亡くなっているなかで「メリークリスマス」もないのかな。苦しんでいる人たちがどんな気持ちでそれを眺めるか想像は容易にできることです。今年は世界中が厳粛ムードでクリスマスを過ごすんじゃないだろうか。罪もない自分の家族や友人が死んでいく姿を目の当たりにした人たちがクリスマスで浮かれる敵対国家の様子を見れば、テロを起こしたくなっても不思議ではない。
今年は日本人も遠い国で辛い経験をしている人たちに想いを寄せて厳粛にクリスマスを祝うといいのにな、と思います。高級レストランでデートして、プレゼント交換して、幸せだよね。って語り合うことの素晴らしさは私も知っています。大騒ぎをしたくなる若い人たちの気持ちもよく理解できます。
でもね、今はまずい。宗教戦争がおきているなか、一方の宗教当事者イベントで大騒ぎするのはなんともまずい。というかカッコ悪い。世界の人から知識ないんだなぁって見えてしまうかもしれないし。「ハッピークリスマス」ってそもそもあんた神道か仏教徒だろうに。
別に暗くする必要もないと思うんだけれど、困っている人たちの気持ちに共感するのって大切だと思う。私たちが寒い冬でも暖にあたれるのは中東の石油があるからです。石油がなければ食べ物も移動も、暖をとることもできない。その我々の豊かな生活をささせてくれている中東の人たちはいま、日本も含めた西側諸国に少なからず敵対感情を抱いています。
声を出すべきは「メリークリスマス」じゃなくて「戦争反対」ではないでしょうか。
どうしましょうか、会社でする朝礼の内容から大きく逸脱してしまいました。えーっと、年末年始です。みなさんのお力添えでダックビルは今年も大過なくすごすことができました。年末年始は縁あるかたとごゆっくり英気を養ってください。私の朝礼挨拶、今年はこれで最後かと思います。みなさん1年間本当にありがとうございます、たいへんお疲れさまでした!