野口 高志 株式会社ダックビル / CEO
ダックビルCEOです。若かった時に放漫経営で上場目指していた会社を倒産させてしまいました。皆さんのお情けをいただいて、もういちど頑張ってやり直してきました。懺悔の気持ちと感謝の思いを込めて社会課題を今後もコツコツと解決していくなかで社会に少しでも多く貢献していきたいな、と願っています。
世界で一番有名な日記、って誰が書いたものでしょうか。
それはたぶん、ナチスに追われる極限状態の若い女の子が書いた日記「アンネの日記」じゃないか、と思います。オランダに行ったとき、あまりにも陰惨なアンネの隠れ家をみてゲンナリした気持ちになったのを覚えています。
そのアンネ・フランクが日記に綴った言葉の中に、こんな名言があります。
「与えることで貧しくなった人はいまだかつて一人もいません」不条理な逃亡生活、食事もままならない、遊ぶこともままならない中学生が書いた言葉です。
残念な報告があります。
この檜の観葉植物ですが、枯れて死んでしまいました。植物は声が出せません。水がなくてずいぶん苦しかっただろうと思います。なんでもっと目配せできなかったのか、自分が嫌になります。彼らは2018年にダックビルにきてくれました。もう5年間、我々と一緒にすごし、癒してくれていたわけです。とくに、このヒノキは左に大きく育った枝がユニークで多くの元気をもらっていました。
私は担当じゃないから、しらない。
そんなことを言っていたら、中学生の女の子に笑われてしまいます。
「与えることで貧しくなった人はいまだかつて一人もいませんよ」って。
どうして植物の渇きに気がついてあげられなかったのでしょうか。なぜ、たった一杯の水を与えることができなかったのでしょうか。与えることで貧しくなることなんて、なにもないのに。
逆に言えば他者の困りごとや悩み事、辛いことに鈍感な人はきっと貧しくなっていくんだと思います。コミュニケーションの原点は、他者の気持ちを理解する心です。アンネは深い孤独の中で、私たちにコミュニケーションの大切さを教えてくれたのだと思います。
辛いこと、困っていること、それらを理解し共感する心をもつことはビジネスにおいても基本です。
ダックビルの事務所ではまだまだ多くの植物たちが私たちに元気を与えてくれています。そして多くの同僚たちが私たちを支えてくれています。周囲に気を配り、お互いに与えることで豊かな人生を築いていきましょう。
一筆啓上いたします。
「与えあう組織を作ろう」